独自の工夫を盛り込み、売上10倍アップに貢献した生産管理システム

－経営理念として掲げられている「ものづくりのエンターテイナー」について教えてください。

「このコロナ禍の中でも、弊社には1日4社、年間約960社の製造業の方が見学に来ますが、みんな何かしら頼るものを求めています。そうした方々に、ちょっと安心してプラスな材料を持ち帰ってもらえるようなアドバイスをさせていただくことがあります。」（田中社長）

テルミックに見学に行くと、田中社長自らオフィスや工場を案内し、経営ノウハウを惜しみなく披露してくれる。会社のいたるところに工夫がいっぱいで、見る人を飽きさせない。高価な設備が必要なものは真似することができないが、ノウハウのいくつかは自社に帰ってすぐに実行できるものだ。それをすぐに実行するかどうかが、業務改善を成功させられるかどうかの分かれ目なのだという。

「弊社が創業してから今年で29年になりますが、今だからこそ言えることがあるのです。最初1人で始めて、2人、4人、8人と増えていき、気がつけば150人になりました。ですが、それがゴールではありません。今まで何度も足踏みをして、そのつど強化しながら乗り越えてきた経験があります。EasyPro（生産管理システム）は、そのような（経営を強化する）アイテムの一つです。そうした我々の強みを活かし、みんなを引っ張っていく、業界をリードする存在でありたいと考えています。」（田中社長）

－「あっと驚くような楽な購買体験」とは？

「例えば、日本時間の夜9時に深圳から発送した品物が、翌日朝10時半には日本に着きます。弊社のりんくう常滑工場には11時に届きます。日本国内から送るより、深圳から送った方が早いんです。これから中部地域にモノづくりが集まると思います。」（田中社長）

見積最短45分、最短納期1日という、業界屈指のスピード対応を特長としているが、待たされないということは相手にとって非常に楽である。筆者もシステムに関する用事で電話することがあるが、担当者が不在の場合でもその場でチャットを使って連絡をとり、すぐに回答してくれることが多い。システムの改善要望についても、リアルタイムな進捗状況をどうやったら視覚的に把握できるか、品物の所在を細かく把握するにはどうしたら良いかといった、お客様を待たせないためのアイデアが次々と寄せられる。

－「鉄工界のAmazon」を目指しているそうですね。

「サービス業として位置付けて欲しいと考えています。8～9割は類似品なんです。技術を伝承するのはなく、過去の履歴を未来の人に伝えているだけです。EasyProはそういうツール。技術だけではなく、価格の情報も蓄積されていきます。」「例えば、ある図面を与えられたときに、3,000円なら受注できるが、5,000円なら受注できないということが弊社では分かっています。あてみつ（当て馬の見積）、すてみつ（捨てるだけで採用されない見積）も財産です。こうして蓄積したビッグデータとAIを利用して、お客様がいつでも使える仕組みを実現したいと考えています。」（田中社長）

「営業が外回りをせず中にいるようにしただけでもこれだけ喜ばれるのですから、あっと驚くような楽な購買体験になるはずです。『5時に会社に戻ったらみとくわ』ではなく、夜でも、在宅でも、世界中の時間に合わせてやりたい。常滑に検査・出荷センターを作ったのはそういうことです。」（田中社長）

「図面を登録する（このシステムでは図面を注番に紐づけて管理できる）のに1年半かかりました。最初のうちは図面を登録してくれる人と、面倒臭がって登録してくれない人がいて、徹底できませんでした。それでも口を酸っぱくして言い続けて、今では全員が図面をスキャナで読み込んでシステムに登録してくれています。」（田中社長）

「それから、カスタマイズすれば良いことに気づくのに半年かかりました。最初はシステムに業務を合わせようとしてしまうんです。それが、いろいろやっていくうちにカスタマイズによって業務改善ができるということに気づきました。
例えば「品物を無地の箱に包んでください」というような、お客様と担当者しか知らない約束事を申し送りするために、最初は備考に入れたりしていました。システムはみんなで見る掲示板のようなものでもあるので。それを、どうやったら配送の人にきちんと伝わるかを考えたときに、別の項目として設けることが必要になるんです。そうした工夫を積み重ねていき、今では完全にテルミック版のオリジナルシステムになっています。」（田中社長）

「これは実際にあった話なのですが、伝票に記入する8と3を間違えただけで、福岡に送るものが静岡に着いてしまう。ミスが起きないようにバーコード化しました。」（田中社長）

そうした工夫を積み重ねて、お客様からの問い合わせに対応するための情報をシステムに集約すると「外に出ない営業」を実現できるようになった。常に社内にいるので、お客様からの問い合わせにもすぐに対応できる。自分以外が担当した類似品でも、検索すれば図面が表示され、工程や原価が分かる。設計などの難しい部分が出てきても、社内にいるエンジニアにその場で聞けば良い。追加工や設計変更の依頼にも柔軟に対応することが可能だ。
ついには「入社3か月で営業ができるようになる仕組み」を実現し、人が増えれば増えるほど利益が出るようになった。

着々と実績を重ね、得意先約2,000社、国内外の協力工場が500社以上になるまで業績を拡大し、ビックデータが蓄積されていった。
今では非常に多くの業種、材質、加工方法に対応し、きめ細かなサービスを実現している。

テルミック様に訪問すると、毎回新しい気づきがあるので、自分なりに自社の経営に取り入れさせていただいています。
行くたびに何かしらバージョンアップしていて、まさにエンターテインメント！
システム構築においても随所に独自の工夫があって、作り甲斐のあるものでした。
見学OKとのことなので、是非一度足を運んでみてください。

紙での管理、ファイリング、お問い合わせ内容の確認でお客様を待たせる時間、休暇時の情報の引継ぎ、緊急対応、過去の製作履歴検索・・・。
どれもこれも、時間が掛かってしょうがない。
生産管理システムを導入することで、多岐にわたる業務の時間効率を上げて、生産性を高めることが出来ます。
その生産性は、売り上げに直結します。導入後、様々な取り組みが功を奏して売上高は10倍になりました。
10倍になった製品情報を漏れなく管理することが出来たのは、生産管理システムのおかげです。
ユーテック様に制作していただいた生産管理システムは、
テルミックが実績をもって導入効果を実感している、素晴らしいシステムです。