社内のIT化を進めるときや、社内の情報共有が進んできたときに、ひとつのハードルとなるのがデータベースではないでしょうか?
販売管理などの業務パッケージソフトを購入する際にも、必ずといっていいほどデータベースの導入が必要になります。
イメージで何となく分かっているような気もしますが、「データベース」とはいったい何なのでしょうか。

 2021年01月23日 公開  2021年01月27日 更新

「データベース」という言葉の意味

データベースをそのまま訳すと「データの基地」です。
具体的には、一定の規則に従い、関連性のあるデータを蓄積したものです。

データベースの説明としてよく挙げられるのが電話帳ですが、Excelに入力された得意先の一覧表や、売上の一覧表なども立派なデータベースです。
企業で利用されるデータベースは、複数の人が利用でき、一元管理できることが必要になります。

データベースを図で表現するときに円柱状のアイコンがよく使われます。これはハードディスク(磁気ディスク)をイメージしたものです。
ハードディスクの中では円盤状の部品が常に回転しており、複数枚重なっています。データベースは通常、ハードディスクに記録されます。

DBMS

コンピュータシステムで用いられるのは、データベース管理システム(DataBase Management System)です。
DBMSは、特定のマシンで常に実行し続けるソフトウェアです。
複数の人が利用するので、ネットワークを経由して利用者(クライアント)の要求を受け付け、該当するデータを送り返す機能を持ちます。

ほとんどのDBMSは通常のパソコンでも動作しますが、特定のマシンで常に実行し続けるので、壊れにくさや、壊れたときの対処がしやすいなどの理由から、サーバマシンを利用するのが一般的です。
利用する人数や利用頻度、データ量は性能に影響するので、それらを考慮してサーバのスペックを決めていきます。
定期的にバックアップする仕組みも検討が必要です。
ライセンス上の理由から、サーバOSが必要な場合もあります。

データベースにはいくつか種類がありますが、現在最も使われているのがRDB(Relational DataBase:リレーショナルデータベース – 関係データベース)です。
RDBにおいては、データをExcelのような表形式で管理するのでなじみやすいと思います。

上の画像は、RDBMSの一つであるMicrosoft SQLServerを使って管理している、販売悟空のサンプルデータベースにアクセスし、見積データの中身を表示したものです。
見た目がExcelと非常に似ていることが分かります。
Excelと違って、複数の表を簡単に結合することができ、また複数の人が同時に利用できます。
おそらくそれが、多くの人にとってデータベース化を検討する大きなきっかけだと考えられます。

代表的なDBMS

以下に代表的なDMBS(RDBMS)を3つ挙げます。
いずれも無料で利用できる、もしくは無償版があり、比較的小規模のシステムでも使われているものです。
Windows/Linuxのどちらでも動作します。

DBMS 分類 説 明
Microsoft SQLServer 商用(無償版あり) Microsoft社の商用DBMSで、Windowsとの組み合わせでよく利用される。
無償版のSQLServer Expressでは、利用できるメモリやデータベース容量に制限がある。
MySQL オープンソース Webサイト構築で広く利用されているWordPressで使われる。
プログラム言語のPHPと組み合わせて利用されることが多い。
PostgreSQL オープンソース オープンソースのDBMSとして、MySQLと人気を二分する。
プログラム言語のJavaと組み合わせて利用されることが多い。

データベースの構造

Excelを使ってデータベースを管理する場合には、自由に列を追加したり変更できますが、RDBにおいては事前にデータの構造を決める必要があります。
下の画像は、Micrsoft SQLServerの管理ツールを使って、データの構造と中身(データそのもの)を表示したものです。

事前にデータの構造を決めて定義しておくことで、データを無駄のない形で格納し、取り出しやすくしています。
RDBMSを使ったデータベースの構築においては、仕事で使う言葉の意味を統一し、部署や担当者固有の方言をなくす作業が必要になります。
データベース設計を通じて、言葉の意味を明確にしていきます。