同業他社のシステムを母体として自社向けにカスタマイズした。
社長が先頭に立ってシステム導入を行い、
リアルタイムな経営情報の把握に成功した。
株式会社サワテツ 様
窯業から始まり、住宅設備、自動車、航空機へと、時代のニーズに合わせて事業拡大していった株式会社サワテツ。
豊富な設備力と幅広い加工技術を特長とし、加工のスペシャリストとして他社がやれないものを積極的に引き受ける。
新しい材質・大きさ・加工内容の受注が次々来る中で、限られたリソースの有効活用と利益管理が課題だった。
同業他社のシステムにカスタマイズを加えることで自社独自のシステムを構築し、毎朝の営業会議でリアルタイムな損益情報の共有が可能になった。
今まで担当者任せだった内製・外注の判断について、会社全体の利益につながる指示を出すことが可能になり、当初の目的を達成した。
株式会社サワテツ
代表取締役 澤田 崇徳様
会社の概要:測定事業が好評/多品種短納期個別生産
-ホームページ見ました。面白いですね。一人で爆笑してしまいました。それでいて貴社の強みを的確に表現している。
バカを真面目にやることが大切だと思うんです。
-難しい仕事を取ってきて、技術者は嫌がりませんか?
ウチは昔から「営業が取って来た仕事は絶対」というスタンスなので(笑)。
最初は「ムリだよ」という内容でも、一個一個対応していきます。
CFRPという難しい素材やチタンなどの難削材も対応します。
ユーテックさんも、ウチが依頼した要望に対して、まずやろうとしてくれるじゃないですか。それが良いと思うんです。
-インターネット経由の引き合いは多いですか?
結構あります。ウチはホームページを5つ持っているんですが、測定事業の引き合いが多いですね。
3次元測定機に乗らないようなものでも、レーザートラッカーで測定できます。レーザートラッカーは高価な設備で、校正などのメンテ費用がかかります。航空業界では自社保有している会社もありますが、それ以外の業種では珍しいようで、困って探して来られるお客様が多いです。さらに、ウチは出張測定もやります。3か月という長期にわたり行きっぱなしになることもあるんですよ。
大きいものを組み付けた状態で測ることができるので、バラさなくていいんです。
導入の決め手:相談しながらその都度カスタマイズが可能
-導入を決められるまで結構悩みましたか?
そこまで悩まずに決めました。生産管理システムは会社毎に違うものだと思っていましたから、カスタマイズできることを重要視していました。(紹介してくれた)テルミックさんが、その都度話をしてシステムを直してくれるということを言っていましたから。そういうのがあればいいなと思っていました。同じ作業の繰り返しをしたくありませんからね。
実は、ここがシステム導入のキモとなる部分で、意見が分かれるところでもある。
ソフトウェア全般に言えることでもあるが、システムは手に取って触れることができるものではなく、また頻繁に購入するものでもないので、ユーザ側の経験が乏しく導入前の評価がしにくい。
その点、パッケージソフトであれば、実際にデータを入れて動作確認ができ、価格も安価であるため飛びつきやすい。
ところが、パッケージソフトはカスタマイズに弱いのが一般的で、導入前によほど念入りに検証しないと、稼働後のトラブルに結び付きやすい。
業務フローが固定化されるのも問題である。製造業においては、作っているものによって業務フローが異なる場合が多く、また、同じものを作る会社を比べてみても、異なる場合が多々ある。競争社会である以上、その会社の特徴付けが必ず必要であり、その特徴が事業構造、すなわち業務フローに現れる。しかも、それは外部環境の変化に応じて絶えず見直していくべきものである。
パッケージソフトに業務を合わせるという考え方は非常に危険で、その会社の良さを奪ってしまう可能性がある。
同種の会社に共通する部分をパッケージ化することは可能だとしても、その会社の良さを本当の意味で引き出すためにはカスタマイズを視野に入れた方が良い。
先ほど「同種の会社」という表現をしたが、生産管理という概念自体が非常に幅広く、個別生産と連続生産(量産)、受注生産と見込生産、組立と加工、在庫の考え方、どれをとっても一つのシステムで表現するのは非常に困難である。
これが、他の業務システムに比べて生産管理システムの導入が難しいと言われる所以である。
その点、導入した「生産EasyPro(生産悟空の前身)」は、当時としては比較的珍しい、カスタマイズを前提として設計された生産管理パッケージであった。完全パッケージのような手軽さはないものの、自社業務に合わないリスクを軽減できる。
澤田社長は同業者や地元企業との横のつながりを大切にしており、カスタマイズ後のシステムを実際に見ることができたのも幸いした。株式会社テルミックの厚意で、カスタマイズ後の生産管理システムを、工程などの基礎データが入った状態で借用して評価することができた。
苦労した点:現場での活用
-システムの利用状況はいかがですか。
社内加工については決めることが多くて苦労しています。加工データを共有化したり、バーコードで実績を収集したりする機能を作ってもらったのですが、現場が関与すると浸透させるのが難しいです。今まで口頭でやれていたものが、工程表を出さなければならない。特に短納期だと、物を出さないと怒られる。情報が残るので営業は便利なんですけれど。
また、営業が安く注文を取ってきたら現場は嫌がるし、高くもらえると時間がかかってもいいやという風になってしまう。そのあたりの情報の見え方はカスタマイズして見直しましたが、現場での活用がこれからの課題です。
外注管理ではうまく使えています。
生産管理システム導入において、実績収集の部分は難しい領域のひとつである。
バーコード・タッチパネル・タブレットなど、入力を簡素化する方法はいろいろあるが、特に個別生産において、工程管理をある程度現場の裁量に任せている職場においては、実績収集することの全社的な意義を現場と共有し、理解を得るのが難しい。
時間をかけて、タイミングを見て、段階的に改善していくことも大切である。継続してサポートしていきたい。
-導入時はどうでしたか。
見積と受注ができるパッケージソフトを使っていて、そこで管理できないことは記憶に頼ってやっていました。
新システムとの同時進行を結構長い期間やりました。営業は新システムを使わざるを得ないようにしていって切り替えました。管理しやすくなった実感があります。
導入の成果:営業ミーティングで活用
今まで人の記憶に頼って良くやっていたなと思います。
今までは売上しか分かりませんでしたが、今ではリアルタイムに利益を把握できるので非常に良いです。
社内に出す人、外注に出す人など、色々なパターンがあるため、会社としては利益を考えて振り分けをしてもらいたいです。
売上はあるが外注比率が多いので、社内を意識してくださいといったことです。
今までは結果に対してしか言えませんでしたが、現時点の数字があるので説得力があり言いやすくなりました。
仕事をいっぱい取ってきても大丈夫になりました。情報を残しておいて後で見られるのが良いですね。
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営業ミーティングで使用している担当者別販売分析表。
価格帯毎の受注率が分かる他、社内の製造原価を見ることで稼働率を推定できる。
社内製造・外注完結の判定は工程表をもとにしている。
-社長が先頭に立ってシステム導入したのが良かったと思います。
そうですね。
もしワンクッションあって、担当者から私に提案されるとしたら金額に目が行ってしまいますから。
自分でやると、自分が欲しいものができますからね(笑)。
経営分析系の資料は、今まで自分で作成していました。
社長が楽になる。経営判断がしやすくなる。というのがポイントかなと思います。
インタビューを終えて
今回のインタビューは、澤田社長とお会いしてじっくり話を聞くことができる良い機会でした。
今でもシステムのバージョンアップは続けていて、電話やメールのやりとりが多いのですが、ナルホドと思わせられる斬新なアイデアがどんどん出てきます。
これからもお互い知恵を出し合ってバージョンアップを続け、その結果どんなシステムになっていくのか楽しみです。
サワテツさんのホームページ面白いので是非一度ご覧になってください。
おすすめの一言
自社に合った生産管理システムなので、生産性アップに直接つながります。
経営戦略を立案する際の現状把握に活用できています。
会社名 | 株式会社サワテツ |
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代表取締役 | 澤田 崇徳 |
事業内容 | 加工事業/CFRP事業/測定事業 |
所在地 | 愛知県碧南市須磨町5番地25(6号地) |
電話番号 | 0566-48-4831 |
URL | http://www.sawatetsu.com/ |
株式会社サワテツでは金型設計・金型製作を中心に機械加工を行っております。板金部品、樹脂部品、CFRP、規格購入品など、様々な分野の部品調達に対応しています。