Windows系のOSを利用していると、Cドライブの空き容量不足が問題になる場合があります。
特に、サーバ機で空き容量がゼロになると、利用者全員に影響を及ぼすので深刻です。
空き容量が足りなくなった場合の対処法については、いろいろなサイトで紹介されているので、本記事では基本的な考え方と原因の調査方法を中心に解説します。

 2021年03月20日 公開  2021年03月23日 更新

ドライブとは

左の図は、エクスプローラで「PC」を選択した際に表示されるものですが、下の方に表示されている「Windows(C:)」「ローカルディスク(D:)」というアイコンがドライブを表します。

パソコンから利用するハードディスクやUSBメモリ、CD、DVDなどの記憶装置について、「C」「D」などの記号をつけて分かりやすく管理するための考え方です。

上の方にある「3Dオブジェクト」から「ミュージック」までのアイコンは、特定のフォルダにすばやく移動するために作成されたショートカットのようなもので、実体はCドライブ内(C:\Users\(ユーザ名)の下)にあります。

物理的な1つのハードディスクを仕切って(パーティション)、複数のドライブに分けることも可能です。
ハードディスクをどのようにパーティションで仕切って、どのドライブに割り当てているのかは、「ディスクの管理」で見ることができます。
(Windowsのスタートメニューを右クリックして「ディスクの管理」を選択)

ドライブを分ける基準

通常の使い方においては、1つのハードディスクを複数のドライブに分けるメリットはほとんど無いと考えます。
ドライブが分かれるということは、フォルダが必ず分かれるということを意味します。領域を仕切ってしまうので、自由に使える領域が制限されてしまいます。

パーティションやドライブ文字の割り当ては、Windowsのインストール時に設定するので、自分でクリーンインストールした人以外は、PCの購入時に既に割り当てられているでしょう。
ほとんどの場合、1つのディスクに対して1つのドライブが割り当てられていると思います。

購入後すぐにCドライブの容量が不足するケースは無いと思いますので、使っていくうちに容量が足りなくなっていくことが問題になります。
主な原因としては、いろんなソフトをインストールした、写真や文書・動画などのファイルが増えた、Windows Updateなどの更新プログラムが蓄積されていったことが挙げられます。
対策としては、可能なものを削除していくことになりますが、Cドライブ以外(例えばDドライブ)に空きがある場合には、配置を見直すことで対策できます。
ディスクが複数あるPCにおいては、最初の段階でドライブ利用の方針を決めておくことによって、Cドライブの空き容量不足を防ぐことができるだけでなく、PCの性能を引き出すことができます。

下の表は、CrystalMarkというベンチマークソフトを使って、2種類のデスクトップPCと、1種類のスティックPCとで性能を比較したものです。
デスクトップPCには、それぞれSSDとHDDを1台ずつ搭載しています。
測定値が記された右側の3列は、それぞれシーケンシャル(連続したデータ)リード/ライト、大きさの異なる2つのランダム(バラバラなデータ)リード/ライトの性能を表します。数値が大きいほど性能が高いといえます。

機種 CPU
周波数(GHz)
Sequential
Read/Write(KB/s)
Random
Read/Write 512K(KB/s)
Random
Read/Write 64K(KB/s)
HDD Slim knight AS 56448
(3.10GHz)
179.51/164.77 60.38/72.90 10.36/14.76
Regulus AG 47487
(3.50GHz)
187.33/171.66 58.62/70.78 10.29/14.86
SSD Slim knight AS 56294
(3.10GHz)
503.31/402.72 358.58/380.11 140.69/335.38
Regulus AG 47162
(3.50GHz)
460.75/425.35 360.11/376.87 178.90/206.22
eMMC Diginnos Stick 31648
(1.44GHz)
107.83/37.07 105.12/40.36 52.50/22.07

2018年11月22日測定。CPUの数値はALUとFPUの合計。

簡単に解説すると、SSDの方がHDDに比べて格段に性能が高く、特に細かいデータをランダムに読み書きするのに優れています。

従って、OS(C:\Windows)やプログラム(C:\Program Filesフォルダに格納するようなもの)はSSDに格納し、画像や動画などのデータはHDDに格納すれば良いといえます。
HDDはSSDに比べて容量あたりのコストが低いので、大容量のデータを格納するのに向いています。

PCを購入する際に、SSDをオプションで選べる場合があります。やってみたことがある方は分かると思いますが、PCの電源を立ち上げてから使えるようになるまでが非常に速くなります。その際は、SSDをCドライブに割り当てます。