Web サイトは、わずかなランニングコストで繰り返し使える最強の販促ツールです。
制作を業者に依頼すると費用がかかるし、変更しにくいとあきらめていませんか?
Web サイトを使った販促では、お客様の反応をフィードバックしながら、継続してメンテナンスすることが大切です。
本記事では、自前で事業用のWebサイトを構築するための手続き・費用・作業内容について解説します。

 2020年12月09日 公開  2020年12月22日 更新

Webサイトを使った販促の概要

会社案内の代わりとして

新規取引の前にその会社のWebサイトを閲覧することは、もはや当たり前になってきています。
Webサイトでは、印刷コストをかけることなく、常に最新の情報を掲載することが可能です。
定期的に更新されているWebサイトは、Googleなどの検索エンジンでヒットしやすくなるだけでなく、会社のイメージアップにもつながります。

新規引き合いの獲得

仕入先や商品を探す際、最初にWebサイトを検索する企業担当者も多いのではないでしょうか。
企業間で売買される高額な商品であっても、Webサイト上で情報を公開することによって、購買担当者の情報収集段階からアプローチすることが可能です。

商談ツールとして

電話やWebミーティングによる商談が多く行われる今、自社のWebサイトをカタログ代わりに利用すると非常に便利です。
会話だけでなく視覚的な情報を使って説明ができるので、商談に集中することができます。

既存顧客の継続的なフォロー

Webサイトを定期的に更新し、メールマガジンなどを通じて告知していくことによって、継続的な顧客フォローができます。

モデルケース/費用の目安

項目 サービス等の名前 費用
イニシャルコスト ドメイン取得 ムームードメイン \1,160/年
.comドメイン
ランニングコスト ドメイン維持 ムームードメイン \1,480/年
2年目以降
共用レンタルサーバ ConoHa WING
\720/月
ベーシックプラン
年契約
CMS WordPress
(Conoha WING)
無料
DNSサーバ Conoha 無料
SSL Let’s Encrypt
(Conoha WING)
無料

※費用については、本記事執筆時点において各サービスのWebサイトに掲載されているものを記載しています。
※Conohaでドメインを取得することも可能です。その場合、手続きが1つの業者で完結するので少し簡単になります。

理解しておきたい用語

ドメイン

インターネット上の住所にあたるもの。
Webサイトを特定するためのURLを作るために使用する。
例)yutech.co.jp や yahoo.co.jp など
Webサイトだけでなく、Eメールを使う場合にも必要。

ドメインを取得するには、レジストラと呼ばれる業者に依頼して申請しなければならない。
インターネットプロバイダ(接続業者)やレンタルサーバ業者のものを無料で使える場合もあるが、本記事では事業者用のWebサイトを対象としているため、会社名などを使った独自ドメインを取得する方法について解説している。
当然、既に利用されている名前と同じものを使うことはできない。

一つドメインを取得すると、先頭に任意の名前を付ける事によってドメインをいくつも増やすことができる(サブドメイン)。
サブドメインを追加するのに費用はかからない。
例)gokuh-sales.yutech.co.jp

Webサーバ(World Wide Web Server)

Webページを配信するサーバ。
閲覧者がブラウザに入力したURLを受け取り、Webページを配信する。
共用レンタルサーバであれば、Webサーバ用のソフトウェアがセットアップされた状態で借りる事ができるものがほとんど。

CMS(Contents Management System)

Webサーバ上で動作するコンテンツ管理システム。
これを使うと、管理画面にログインして画像や文書などのコンテンツを登録し、Webページを組み立てることができるようになるので非常に楽。
オープンソースソフトウェアのWordPressが有名で、本記事でもWordPressを使用する。
レンタルサーバの管理画面から、ボタン一つでインストールできるものが多い。

DBサーバ(DataBase Server)

CMSでは、コンテンツをデータベースとして管理している。
原稿作成者が登録した画像や文書がばらばらの状態でデータベースに格納されており、CMSがWebページを組み立てる。
こうすることにより、マウス操作で記事の配置を変更したり、デザインだけを変更したりすることができる。
WordPressでは、MySQLというデータベースソフトを使用する。

PHP

プログラミング言語。
WordPressはPHPで記述されているため、WebサーバにはPHPがインストールされていることが必要になる。
WordPressの機能を独自にカスタマイズする場合にはPHPの知識が必要。

DNS(Domain Name System)

DNSは、世界中に存在する無数のサーバが協調し合って動作するデータベースである。
Webサーバを借りて、ドメインを取得したら、サーバとドメインの関係をDNSサーバに登録する必要がある。
DNSサーバは、ホスティング業者やドメイン業者が用意しているので、それらを利用すれば良い。
DNSに登録した情報が世界中に反映されるまでに時間がかかる場合があるので、サーバ移転の際には注意が必要。

SSL

通信を暗号化する仕組み。
現在はSSLを改良したTLSという技術を使っているが、TLSはSSLと同じ文脈で使われることが多い。本記事でもSSLと呼ぶことにする。
Webページを閲覧する際に利用される通信方式(プロトコル)であるHTTPについて、SSLで暗号化したものがHTTPSである。
最近のブラウザでは、http(「s」の付かない)で始まるURLを閲覧すると、「保護されていない通信」「安全ではありません」などと表示される。
今後Webサイトを公開する際にはSSLが必須になると考えられる。

SSLを利用するには、SSLサーバ証明書という電子証明書の取得が必要。
証明書の種類がいくつかあり、審査が厳しい(信用度が高い)証明書は非常に高価である。
Let’s Encryptは無料のSSL証明書で、すべてのWebサーバへの接続を暗号化することを目指して米国の非営利団体であるISRG(Internet Security Research Group)により運営されている。
閲覧しているWebサイトが使っている証明書は、ブラウザのURL左にある南京錠マークをクリックすることで確認できる(Chromeの例)。