2.クラウド化で得られる効果と落とし穴

業務システムをクラウド化することによって様々な効果が得られます。
例えば、サーバを購入しないので購入費用や場所を節約でき、壊れたりするのを防ぐための設備や管理に時間や人手を割く必要がありません。
他にもクラウド化によってもたらされる恩恵は沢山ありますが、初めてクラウド化を行う企業が陥りがちな落とし穴も存在します。
ここでは、クラウド化で得られる効果と落とし穴について、特に重要な「コスト」、「ネットワーク」、「セキュリティ」の3つの視点から説明します。

コスト
効果
導入コストが安い

クラウド化の効果として、まず一番に挙げられるのが初期投資コストが安くなるという点です。
自社でサーバやネットワーク機器等を購入し設置する必要がないため、シンプルに導入コストの削減になります。
また、企業が保持するデータは年々増加する傾向にあり、将来的にサーバの容量やスペックが足りなくなることが予想されます。
クラウドサーバであればサーバを新しく買い直さなくても簡単に拡張することができるので、将来発生するコスト削減にもつながります。
さらに、クラウドサービス会社では基本的にサーバを地震等の災害に強い構造の施設で管理しているため、自社でサーバを保有するより安全で、管理コストの節約にもなります。

落とし穴
コスト管理が難しい

多くのクラウドサービスの料金体制は従量課金制で、使用した分の料金だけを支払う方式です。
一見効率的で無駄のない方法に思えますが、使用するデータ量をしっかり管理しないと予想以上の料金が発生してしまう可能性もあります。
初めてクラウド化してコスト管理体制が整っていない企業が、必要なデータ量やサービス内容を常に把握しながら調整し続けることは難しいです。
せっかくコストを安く抑えたかったのに、結局トータルで高いコストがかかってしまったということになりかねません。

ネットワーク
効果
テレワークに対応

企業がシステムをクラウド化する理由として最も多いと思われるのがテレワーク、リモートワークの導入です。
総務省の通信利用動向調査(令和2年)によると、企業のテレワーク導入割合は47.5%、クラウドサービス導入割合も7割近くに上っています。
自宅に居ながら仕事ができるため、災害等が発生して通勤が困難な状況でも業務を続行できるのは、クラウド化の大きな効果と言えます。
インターネットに接続できる環境なら場所を選ばず自社システムを使えるため、出張や営業の際にも社外から必要なデータを参照したり編集したりすることも可能です。

落とし穴
ネットワークに依存

インターネットに接続できればシステムを使える、ということは裏を返せばインターネットに接続できない場合システムが使えないということになります。
クラウドサービスのサーバやネットワーク機器は多くの場合堅牢な設備に守られているため、ネットワーク回線自体が壊れる可能性は低いと考えられます。
しかし、ネットワークに何らかの負荷がかかり速度が遅くなってしまった場合、業務遂行に与える影響はかなり大きいです。
通信データ量に注意して安定した通信環境を整えることはクラウド化するにあたっての必須条件と言えるでしょう。

セキュリティ
効果
セキュリティが高い

クラウド化したシステムでは基本端末にはデータを保存せず業務アプリも入っていないため、端末の紛失や置忘れによる情報漏えいのリスクは少なくなります。
また、多くのクラウドサービス会社で、重要なセキュリティ面には特に力を入れており、ウィルス感染対策をはじめ安全性を保つ工夫がされています。
近年問題となっている、サーバーに対してシステムの破壊やデータの改ざんを行うサイバー攻撃に対しても、様々な対策を行っているようです。

落とし穴
セキュリティに懸念

クラウド化をためらう理由として、セキュリティに不安があるという意見は多いです。
サーバやデータを長年社内で管理運用してきた企業にとっては、会社の外部に大事なデータを置くだけで不安になるのは当然のことと言えるでしょう。
なお、セキュリティ事故の原因の多くは人的な要因で、誤操作や組織内部の人間による不正な情報の持ち出しといった事例が報告されています。
そのため、システムを安全に運用するためにはクラウドサービスだけでなく、自社に合ったセキュリティ対策についてもあわせて考えることが大切です。

※セキュリティ対策に関する詳しい内容はお問い合せください。