システム導入手順

システム導入の手順は昔から標準化が進められていますが、近年、かなり細分化されています。その理由は、プロジェクトの混乱を防ぐための仕掛けが盛り込まれたこと、Webを中心とする新技術へ対応したことなどが挙げられます。利用する側にとっては、蓄積されたノウハウが利用でき、選択肢も増えているのでメリットが大きいのですが、最初はとっつきにくいです。初めて導入する方でも理解しやすいように、ここでは簡略化したモデルを使って解説します。
詳しく知りたい方は、別途掲載予定の記事を参考にしていただくか、章末に記載した参考文献などを参照してください。

パッケージソフトを適用する場合においては、設計や開発が不要もしくは短縮になりますが、おおまかな流れは変わりません。選択したパッケージソフトによっては、カスタマイズできる領域が限られる場合もあるので、企画の段階がより重要になるでしょう。小規模のシステムにおいても、ポイントは変わりません。プロジェクトの事情に合わせて、工程を統合したり細分化したりして進めれば良いです。

 企画

システムの構想や計画、システムで実現すべき条件をまとめる要件定義などがここに該当します。

 設計

画面や帳票のレイアウト、画面を操作したときの振る舞いなどを決めていきます。
この工程が終わるまでは、仕様が確定していないため、開発費用については概算で進めることになります。

 開発

ベンダ中心で進めることが多い作業です。
ユーザとベンダとで分担して開発することもあります。

 テスト

前半はベンダ中心で進めていき、後半になるについてユーザ中心になっていきます。
ベンダが中心になって進めるもの:設計した通りに開発できているかを検証するテスト
ユーザが中心になって進めるもの:ベンダの納品物に対する受入テストと、企画(特に要件定義)を検証するテスト

 移行

マスタ整備、現行システムがあればそこからの移行、現場のトレーニング、本番リハーサルなどを行います。
場合によっては事前に移行ツールの開発や、マニュアルの制作を行います。

 保守

品質向上(不具合の改善)、Q&A、バージョンアップなどを行います。

【参考文献】
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『共通フレーム2013 ~経営者、業務部門とともに取組む「使える」システムの実現~』
初田 賢司 2012『システム開発のためのWBSの作り方』日経BP

外部委託の方法

前章で解説したシステム導入手順について、外部委託することが可能です。

基本的な契約形態について以下に示します。

システム導入には、専門知識を要する部分がかなりあるので、できれば企画段階からベンダを巻き込んで進めるのが良いと考えます。
契約の考え方については、経済産業省の「モデル取引・契約書」が参考になります。

【参考URL】
『産業構造・市場取引の可視化(METI/経済産業省)』https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/softseibi/index.html#05, (参照:2020-05-21)

プロジェクトの事情に応じて組み合わせた方が良いので、導入検討の際には個別にご相談ください。

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