業務システムを導入する企業にとって、近年は製品やサービスの選択肢が豊富で導入のハードルが下がっている反面、専門用語や方法論が多すぎてどこから手を付ければ良いのか悩むことが多いと思います。 実際、お客様から「資料を集めたが良く分からない」「情報収集だけで先に進まない」「業者に質問されても答えられない」といった声をよく耳にします。 これから数回に分けて、システム導入の進め方について記事にしていきたいと思います。 初めて業務システムを導入する方にも分かるよう、なるべくシンプルに、参考文献を紹介しながら、経験に基づいて解説していきます。

▶ 「システム導入の進め方(設計編)」記事はこちら

 

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システムとソフトウェア

用語の定義には諸説あると思いますが、比較する製品やサービスの位置づけ、及び参考文献の用途を明確にするために、意味をなるべくはっきりさせていきたいと思います。

システムとは、入力を出力に変換する処理の集まりとして捉えることができます。
例えば、工場というシステムは、材料を投入(入力)し、加工(処理)して製品を産出(出力)します。
ここで扱う業務システムにおいては、入力・処理・出力の対象が「情報」であるといえます。
業務システムを導入する際の打ち合わせでは、入出力項目と処理及びそれらの組み合わせを確認していきます。

ソフトウェアとは、ハードウェアの対義語として用いられる用語で、無形の制作物を指します。
業務システムにおけるソフトウェアとは、主にコンピュータプログラムですが、プログラムも一つのシステムです。
いくつものプログラム(ソフトウェア)が協調して動作し、業務システムを構成するともいえます。

ソフトウェアの開発においては、一般的なものづくりの考え方と異なる特性があり、ソフトウェア工学の分野で議論されています。
初めてソフトウェア開発を依頼するユーザが、なかなか受け入れにくいソフトウェア開発の特性として、以下のことが挙げられます。
・当初の見積と導入にかかった費用が大きく異なる場合がある(これは誰でも受け入れにくいですね)
・見積精度を高めるには、多くの打ち合わせが必要であり、場合によっては見積もるために費用がかかる
・作りたての状態が最も低品質で、テストを重ねることにより品質が向上していく
 (これは、仕様が正しく、変わらないことが前提なので、実務上は注意が必要)
・簡単に変更できるように見えるのに、実際には多大な工数がかかる場合がある
・保守の概念が分かりにくい
これらの問題について対処していくには、知識だけでなく、ユーザとベンダが共同で解決すべき問題としての認識を持ち、信頼関係を構築しながら一緒に乗り越えることが大切です。

システムとソフトウェアの関係について、ソフトウェア取引に関するガイドラインである「共通フレーム2013」(情報処理推進機構:IPA)では、以下のように定義しています。
・「人による活動」とともに「システム」が「業務」の一部として存在する。
・「システム」は、「ハードウェア」「ソフトウェア」「その他設備(ネットワークや電源設備・空調設備など)」から構成される。
・「システム利用」によって適切な入力を行い、「人による活動」で出力を適切に活用することによって初めて、「業務」が回ったことになる。

「共通フレーム2013」p.32 図2-7を改変したのが下の図です。

ここでいう「システム」と「ソフトウェア」の関係は非常に重要だと考えます。
これから導入するものを「業務ソフト」と捉えるのか、それとも「業務システム」と捉えるのかによって、アプローチに違いが出てくると考えるからです(「業務ソフト」「業務システム」という用語は筆者が説明の都合上用いているもので、一般的な用語ではありません)。

前者はワープロソフトや表計算ソフトの延長として考えられ、買ってきてすぐに使えるものです。「一人で使えるもの」「汎用的なもの」に該当し、主に機能や価格などを比較して選定します。

後者は「人による活動」が密接に関係するものです。場合によっては仕事のやり方や組織を変えるという判断が必要になるため、経営幹部を巻き込み、プロジェクトチームを発足させて組織的に検討する必要があります。ハードウェアやネットワークの構成についても検討が必要です。選定基準は「(事業における)目的を達成できるか」です。

その中間の場合にはどう考えれば良いのか?というところで悩むのが実情だと思いますので、その点について次章以降で考えてみます。

【参考文献】
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『共通フレーム2013 ~経営者、業務部門とともに取組む「使える」システムの実現~』

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