導入コストを見積もるとは

企画の早い段階で見積が欲しいと言われることがよくあります。心情としては非常によく分かるのですが、実はそう簡単ではありません。

下の図を見てください。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の資料をもとに作成した図で、「不確実コーン」と呼ばれるものが基になっているようですが、企画段階における見積はわずかな情報をもとに行われるため、誤差を生じる可能性が高いことがわかります。

見積の誤差による契約トラブルを解消するために推奨されているのが、図で示すような多段階の見積になるのですが、実務上はまだまだ理解が進んでおらず、特に小規模プロジェクトにおいては適用が難しいです。
目指すべき方向として理解しながら、概算見積をもとに予算化し、予算に収まるような仕様になるようにコントロールするのが実際のところです。
ソフトウェアベンダがユーザを理解する努力はもちろんのこと、ユーザが詳しく伝える努力も必要です。プロジェクトの中盤以降では、発生した問題をユーザとベンダで相互に協力しながら、限られた予算の中で最大の効果を得られるように進める姿勢が大切になります。

【参考文献】
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)『共通フレーム2013 ~経営者、業務部門とともに取組む「使える」システムの実現~』

導入目的とは

導入目的を明文化するようお客様にお願いをすると、身構える方がいらっしゃるのですが、あまり難しく考える必要はありません。
見積をする際の前提条件を考えるときに、選択肢が多すぎるので、先ほど示したように誤差が発生するリスクがあります。
前提条件についてソフトウェアベンダが勝手に考えると、間違った方向に話が進んでしまいます。
A4用紙1枚程度でも構わないので、明文化されたお客様の意思表示があると、そこから質問をしていくことができます。

ソフトウェアの要求と仕様化プロセス


導入目的を設定したら、それをシステムに対する要求という形で表現します。
要求は願望であり、実現不可能なことも含みます。

願望である要求を、要件定義という設計プロセスを通じて実現可能な要求仕様としてまとめていきます。
システム導入の進め方(設計編)で示した製品企画でいうところの概念設計に相当します。
ビルなどの建築物でいえば、どのような建物の規模・種類・機能などを望むのかということをまとめる作業です。
システム構築においては、対象となる業務範囲や、性能・セキュリティ・ネットワーク構成などについて検討していきます。

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